ご挨拶

このたび第31回日本国際保健医療学会学術大会を福岡県久留米市のシティプラザにおいて開催させていただくことになりました。

テーマは、「民間から発信する国際保健医療」です。2015年5月、「国際保健外交戦略」が世界に向けて発信され、国際保健医療が日本外交の重要課題と位置づけられました。日本の知見等を総動員して、地球上のすべての人が基礎的保健医療サービスを受けられることを目指します。また2015年9月には、2000年に採択されたミレニアム開発目標(Millennium Development Goals、以下MDGsと記載する)に引き続いて、ポストMDGsとしてSDGs(Sustainable Development Goals)が設定されました。日本国際保健医療学会は、まさにその担い手である国際保健の専門家が参集するとともに、次世代の担い手を育んでいく場でもあります。その学術大会は学術情報の交換、深化、進歩さらには内外へのアピールの機会として極めて重要であります。

国際保健医療領域では、これまでの先進国が国の主導で途上国を一方向的に支援する構図に対して変化が見られ、近年は途上国支援にCSRとして民間企業も参画し、BOP(Bottom of pyramid)ビジネスの形態で途上国の保健医療に関わる組織も増えています。このような現状を鑑み、本学術大会では、多くの国際保健領域に関わっている民間の活動情報を発信し、グローバルな視点で目指すべき保健医療の課題について企業やNGOの活動を取り上げ、日本の健康医療産業の技術力を生かした貢献、これからの日本の国際保健医療の進め方について、具体的な戦略や方策をシンポジウムやパネルディスカッションを通じて議論して行きたいと考えております。また、国際保健分野で引き続き対処が必要とされている感染症対策、母子保健、栄養改善、人材育成、高齢化対策、ポストMDGsなども継続課題として取り上げて参ります。

大会の運営についてはできるだけ質素、簡素を旨とし、参加費を主な収入とした開催費用の財務計画を進めていく所存ですが、民間の方々の国際協力活動や国際機関・組織の協力などの発表機会を多く設けてインタラクティブで充実した学術大会としたいと考えております。多数のご参加をお待ちしております。

2016 年5月

第31 回日本国際保健医療学会学術大会 大会長

聖マリア病院  浦部 大策

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