21th Annual Meeting of The Japanese Society of Autologous Blood Transfusion
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ご挨拶
第21回日本自己血輸血学会学術総会開催にあたって
第21回日本自己血輸血学会学術総会 会長 樋口富士男

 第21回日本自己血輸血学会学術総会を2008年3月7日(金)、8日(土)の2日間にわたり久留米石橋文化センター共同ホールで開催させていただきます。久留米大学整形外科では、股関節術後約15%に発症していた輸血後肝炎を防止する目的で、福岡県赤十字血液センターと協力した自己血輸血を股関節外科の術前準備システムとして1984年より運用し、輸血後肝炎がなくなりました。その後、行政の追い風と本学会の活動で、わが国において自己血輸血は待機手術における必須の医療手段となっています。これまで、自己血輸血は長い間外科医の仕事として普及してきましたが、貯血式自己血輸血は多忙な外科医に更なる時間と労力を求めるものでした。しかしこれからは、看護師の貯血式自己血輸血への参加や、臨床工学士の回収式自己血輸血へ参加により、外科医の負担を軽減できる可能性が見えてきました。それらを踏まえ、学会のテーマとしては「スタッフに優しく、患者に安全な自己血輸血」とさせていただきました。
 最近の外科手術の低侵襲化は、周術期の出血と輸血の必要性を減少させました。また、同種血輸血の管理技術の発展で合併症の頻度が減少したことなどから、自己血輸血の適応症例が減少してきています。一方、自己血輸血技術がもたらした低侵襲手術は、両側同時手術や輸血拒否患者といった手術困難例への応用など手術の適応拡大で、患者の負担軽減にさらなる発展が期待されます。また、術後血栓塞栓症の問題が社会問題となり、外科手術の出血関連の合併症は、輸血による副作用だけではなくなってきました。さらには、医療制度の包括化が進む中でこれからの自己血輸血がどのような方向に進むか興味のあるところです。
 このような背景の下での学術総会ですので、この学会の研究対象を配慮する時期かと考え、「自己血輸血と周術期合併症である血栓塞栓症との関連」、「世界の自己血輸血」などの特別講演や教育講演などを軸に、これからの自己血輸血におけるIT機器技術活用のシンポジウムがあります。また、学会主催の医師・看護師・検査技師を対象とした教育セミナーやシンポジウムも計画されていますので、学会員はもちろん、自己血輸血に携わっておられる方々、またこれから携わろうと考えておられる方々の多数のご参加をお待ちいたしております。
 早春の九州は過ごしやすく、久留米周辺には有田などの陶器の窯元や有名な温泉が多数ありますので、観光も兼ねご家族やスタッフの方々もお誘い合わせの上、多数ご参加いただければと願っております。

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第21回日本自己輸血学会学術総会