ひとりを看る目、その目を世界へ
-赤十字看護の原点を見つめて-
第18回日本赤十字看護学会学術集会
会長 浦田 喜久子
第18回日本赤十字看護学会学術集会開催のご案内
昨年4月に発生いたしました熊本地震及び8月の台風10号豪雨災害で被災に遭われました方々にお見舞い申し上げますとともに、一日も早い復興をお祈り申し上げます。
さて、第18回 日本赤十字看護学会学術集会は、2017年6月24日(土)・25日(日)に、北九州国際会議場(北九州市小倉北区)で開催致します。皆様に、ふるってご参加いただきますようご案内申し上げます。
学術集会のテーマは、「ひとりを看る目、その目を世界へ -赤十字看護の原点を見つめて-」とし、人道、看護、国際をキーワードにしてプログラムを構成しました。現代の大きな問題であります地球温暖化に伴う気候変動は、確実に大きな災害をもたらし、多くの人々の命と暮らしを脅かしています。また、グローバル化の進展は、経済格差や新しい感染症の世界的規模の拡大等を引き起こし、これらのことが差別や貧困をもたらし、ひいては、紛争やテロの要因とも繋がり、今や世界中の多くの人々が安心して暮せる環境にありません。赤十字に身を置く者として、「人道」の普及やお互いに支え合うことの大切さを感じています。
人々の命と健康及び人権を守る「人道」を理念として、看護を行う赤十字の看護職者・看護教員は、改めてこれらの状況を再認識するとともに、赤十字の看護の原点を見つめ直し、幅広くお互いの知識を交換・共有し、これからの看護、看護教育の方向性を探究したいと思います。
基調講演には、日本赤十字社の社長であり、国際赤十字・赤新月社連盟会長である近衞忠煇氏に、特別講演では臨床哲学の視点で浜渦辰二氏から、教育講演は、米国在住の竹熊カツマタ麻子氏により、それぞれの立場からお話いただき、人道、看護、国際等についての洞察を深めていただけるものと思います。シンポジウムは、「人権と看護実践」のテーマでシンポジストと会場の皆様との意見交換を行い、また今日的課題を取り上げたテーマセッションも数多く予定しています。尚、市民公開講座は、社会的課題でもあります認知症の介護について、認知症のお母様を介護された経験を『ペコロスの母の玉手箱』として出版された漫画家の岡野雄一氏にお話頂くことにしております。そして、何より皆様のこれまでの研究をご発表いただき、この学会が多くの皆様にとって学びの場となりますよう心より祈っております。
会場となります北九州国際会議場は、JR小倉駅と直結しており、大変アクセスの良い場所となっております。周囲を海と山に囲まれた豊かな自然の中にある北九州は、海の幸、山の幸の宝庫となっており美味しいものが沢山ありますので、大いに堪能していただけるものと思います。また、小倉城や明治・大正の面影を残す建物が数多く建ち並ぶ門司港レトロ、世界遺産に登録された官営八幡製鐵所関連施設など、歴史を学べる所でもありますので、皆様のお越しを心よりお待ち致しております。