会長挨拶

第55回日本臨床分子形態学会総会・学術集会の開催にあたり

会長 矢野博久(久留米大学医学部病理学講座)

この度、第55回日本臨床分子形態学会総会・学術集会の会長のご推薦をいただき、2023年9月29日(金)、30日(土)にアクロス福岡(福岡市)にて開催させて頂くことになりました。伝統ある本会を担当させていただくことを大変光栄に存じます。

本総会・学術集会も今回で55回を迎えました。今回のテーマは、「デジタル化時代の分子形態学」としております。医学・医療の分野も内視鏡や放射線画像検査データなどのデジタル化が進んでいますが、デジタルデータを更に人工知能(AI)を用いて解析し、病気の診断や治療などに利用されています。分子形態学の分野でも、同様に画像のデジタル化やAIを利用した研究が大きく進展しています。

今回の学会の開催形式ですが、少し従来とスタイルを変えて、1つの講演会場で口頭発表を実施し、口頭発表終了後に別会場でポスター発表を実施する形式を採用致しました。同時並行のプログラムを無くし、全ての口頭発表を聞き逃すこと無く、参加者のみなさんに聞いて頂きたいと思います。

今回、特別講演として、国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センターの山本陽一朗先生に「形態情報の可能性に挑む-医療AIの課題と展望-」と言う演題で、また、新潟大学医学部産婦人科学教室の吉原弘祐先生に「子宮内膜の3次元構造解析からみえてくるもの」と言う演題でご講演いただきます。そしてもう1つ、少し学術的内容と離れた特別講演として、今回の総会・学術集会のポスターにaiboを使用させて頂いておりますが、それを切っ掛けとして、ソニーグループ株式会社の儀我有子様に「エンタテインメントロボットaibo [アイボ] とその活用事例の紹介」と言う演題でご講演いただきます。こちらもどうぞ楽しみにして頂きたいと思います。

教育講演として、公益財団法人がん研究会がん研究所病理部の高松学先生に「病理業務のデジタル化と人工知能の活用」と言う演題で、また、久留米大学医学部先端イメージング研究センターの太田啓介先生に「電子顕微鏡画像のAIセグメンテーションモデルのトレーニング実践」と言う演題でご講演いただきます。シンポジウムは、「デジタル化時代の基礎研究・臨床研究」「肝胆膵研究の温故知新」「婦人科研究の温故知新」の3つを企画しています。

今回、59題の一般演題の応募をいただき、心より御礼申し上げます。一般演題は、ポスター発表形式が主体ですが、口頭発表の方が相応しそうな一部の演題については、主催者とプログラム委員で相談の上、プレナリーセッションで発表していただきます。また、ポスター発表については、開始の少し前からポスター会場にソフトドリンクと軽食・お菓子などを準備する予定ですので、多数のみなさまのご参加と熱い議論をよろしくお願い申し上げます。

学会場のアクロス福岡は,福岡市の中心部に位置し,福岡空港や新幹線の博多駅からの交通アクセスは良好です。福岡市(アクロス福岡)での開催は上野隆登先生(朝倉医師会病院)が本総会・学術集会を開催されて以来、10年ぶりの開催となります。福岡市にはたくさんの美味しい食べ物がございますので、ぜひ,学会と共に食事も楽しみにしていただき、多くの方々に参加して頂ければと思います。教室員一同でお待ちしております。

2023年7月24日更新

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